新しい光重合型フッ素系軟質裏装材に関する研究
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概要
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フッ素系ポリマーであるフッ化ビニリデン, テトラフルオロエチレン, ヘキサフルオロプロピレンよりなる共重合体と, フッ素系モノマーである2, 2, 3, 3-テトラフルオロプロピルα-フルオロアクリレートを組み合わせた新しい光重合型軟質裏装材を二種類(NewH, NewS)試作し, 理工学的性質, 適合性, 生物学的安全性, 裏装術式等を市販されている主な軟質裏装材料と比較検討した.試作材料は, 操作性に優れた〓状であり, しかもその状態が光照射するまで維持された.溶出モノマー率は, 0.01%以下あった.8週間の吸水量は0.60mg/cm^2(NewH), 1.08mg/cm^2(NewS)と重合硬化型の市販材料よりも少なく, 8週間の水中浸漬による溶解量も0.10mg/cm^2と少なかった.水に対する接触角は92°と材料表面の十分な撥水性が認められた.また3週間の吸油量は0.03mg/cm^2(NewH), 0.09mg/cm^2(NewS)とほとんど認められなかった.硬度(JISA)は, 30(NewS), 44(NewH)と十分に軟らかく, 粘性要素の強い粘弾性体であった.床用材料との接着性も良好と考えられた.適合性は, 光照射方法を工夫することにより, 加熱重合型のアクリルレジンよりも優れており, 直接法での使用も可能と思われた.また, 試作材料の細胞毒性は最も低かった.以上のように, 試作軟質裏装材は非常に優れた性質を有しており, 十分に臨床応用が可能と判断された.
- 1991-01-25
著者
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