歯科材料の熱的性質に関する研究 : レジン系セメントの熱的性質
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
歯質接着性を有するレジンセメントの熱的性質を検討するために, 臨床で用いられているレジンセメント2種(スーパーボンドC&B:SPB, パナビアEX:PAN)の2製品を用いて行った.測定はクセノン・フラッシュ法を用いて行い, 粉液比はP/L=0.8, 1.0および1.2(P/L=1.0:製造者指示)とした.その結果, 以下のようなことが判明した.熱拡散率(×10^<-2>cm^2s^<-1>)は, SPBで0.092〜0.103, PANで0.393〜0.474であった.比熱容量(Jg^<-1>K^<-1>)は, SPBで1.787〜2.059, PANで0.786〜0.830であった.熱伝導率(Wm^<-1>K^<-1>)は, SPBで0.213〜0.221, PANで0.657〜0.799であった.SPBは, 粉液比を変化させても熱伝導率にほとんど影響はなかった.PANは, 粉液比を小さくすることによって, 熱伝導率が低くなることが示唆された.象牙質と比較すると, いずれの粉液比においてもSPBの熱伝導率は小さく, PANでは大きかった.
- 日本歯科理工学会の論文
- 1992-11-25
著者
-
西山 實
日本大学歯学部歯科理工学教室
-
西山 實
日本大学歯学部
-
齋藤 仁弘
日大・歯・理工
-
井上 達也
日大・歯・理工
-
井上 達也
日本大学歯学部歯科理工学講座
-
斎藤 仁弘
日本大学歯学部歯科理工学講座
-
宮[ザキ] 紀代美
日本大学歯学部歯科理工学講座
-
穴吹 美佐
日本大学歯学部矯正学教室
関連論文
- チタンの鋳込みに関する研究 : 第5報 試作チタン合金の鋳込率について
- チタンの鋳込みに関する研究 : 第4報 Ti-6Al-7Nb合金の鋳込率について
- 義歯の管理に関する研究 : 義歯の破折修理時に形成する修理接合面形態が修理後の曲げ強さに及ぼす影響
- 平成18・19年度日本歯科理工学会教育検討委員会報告書
- 歯槽骨欠損部のCPC填入後の組織学的治癒反応
- カルシウムフォスフェイトセメントの骨補〓への応用に関する基礎的研究
- P-23 Calcium Phosphate Cementの骨補〓への応用について
- P-29 Calcium Phosphate Cementに対する組織反応について
- Calcium Phosphate Cementを応用した象牙質知覚過敏症の治療に関する研究
- P-21 エナメル質の再石灰化に関する研究