コンポジットレジンの象牙質への接着に関する研究 : 未前処理研磨象牙質に対するデンチンプライマーの開発

概要

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コンポジットレジンと未前処理研磨象牙質面の接着における各種デンチンプライマーの効果を調べた.デンチンプライマーの主成分としてはメタクリロイルチロシンアミド(MTYA)とグリセリルメタクリレート(GM)を用いた.新鮮牛象牙質を注水下, #800, #1000の砥石で研磨した後, 各種のデンチンプライマーで60秒間処理した.その後, クリアフィルニューボンド, クリアフィルF IIをプライマーで処理した象牙質に適応した.37℃水中に1日浸漬後に, コンポジットレジンの象牙質に対する引張り接着強さを測定した.デンチンプライマー, MTYA・GM(3%MTYA+35%GM水溶液)処理で平均値で約8MPaの接着強さが得られ, MTYA・G・GM(A:6%MTYA+70%GM水溶液, B液:2%グルタルアルデヒド水溶液)処理で平均値で約11MPaの接着強さが得られた.コハク酸をMTYA・GM, またはMTYA・G・GMのB液に3%添加した場合, それぞれ10分間作用, または5〜10分間作用で最も高い接着強さが得られた.コハク酸とMTYA・G・GMとを組み合わせたMTYA・G・GM・S3(A:6%MTYA+70%GM水溶液, B液:3%コハク酸+2%グルタルアルデヒド水溶液)を用いた30秒Scrubbing法では平均値で約13MPaの接着強さが得られた.
日本歯科理工学会の論文
1992-11-25