アクリル系義歯床用レジンの衝撃特性 : -第1報-衝撃特性を決定する方法
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概要
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硬質プラスチックの耐衝撃性は,シャルピーあるいはアイゾット衝撃試験機を使用して検討されているが,これらの試験機は高速(3.35m/s)で単一スピードであること,また歯科修復物のような比較的小さい試験片では,衝撃破壊に関する情報を得にくいなどの欠点がある。この問題を解決するために,小試験片で測定が行なえる衝撃試験機を考案し,PMMAレジンの衝撃特性を調べた。衝撃強さ,レジリエンスおよび靭性は,試験片のスパンが小さいものほど大きく,ノッチ部を除く有効断面積が大きいものほど大きな値を示した。衝撃スピードが13.5cm/s(平均咬合スピード)から50.0cm/sまでの範囲内では,スパン3.0cmとした場合の衝撃強さは一定の値(1.16×10^3J/cm^2)を示したが,それ以上のスピードでは減少した。常温重合レジンでは,重合後の時間経過にともなう物性変化に関する情報も得られた。時間の経過につれて破壊係数はしだいに大きくなり,衝撃強さは減少した。重合後1週間では,これらの値は加熱重合レジンや熱処理試料の値に近づいた。
- 1988-12-25
著者
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