依頼表現の間接性に関する研究 : 被依頼者の視点から
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概要
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依頼表現の間接性と依頼にともなうコストの大きさが,被依頼者の態度に及ぼす影響について場面想定法による質問紙実験を行って検討した。その結果,恩恵場面(被依頼者に非がない場面)と修復場面(被依頼者に非がある場面)に共通して,概ね,依頼表現の間接性が高いほど,被依頼者は依頼を承諾し,否定的な感情は低くなり,依頼者に対して好印象を持つ傾向が認められた。これは,依頼者が間接的な依頼表現を使用することによって被依頼者に対して配慮を示すという依頼者の視点に立った研究結果(岡本,1986)と対応するものである。したがって,依頼表現の間接性が被依頼者にも効果的に働いていることが示された。しかし,依頼の履行にともなうコストの大きさと場面の違いによって,この傾向がやや弱まったり,態度の構成要素間の一貫性が減じることが分かった。その原因を考察した上で,今後の研究課題を検討した。
- 川村学園女子大学の論文
- 2004-03-15
著者
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