アリオストの『狂乱のオルランド』の意味と構造
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概要
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ルイジ・プルチからマテオ・マリア・ボイアルドへと"イタリア騎士物語詩"の輝しい伝統が受け継がれ、これを包括的に集大成したアリオストの Orlando furioso は、まさにイタリア cinquecento の文学を飾るにふさわしい傑作であった。そして、この後を引き継いだトルクァート・タッソが、華麗なイタリア騎士物語詩の系譜の最後を締め括ることになるのである。そこで、本論考では、アリオストの Orlando furioso を取り上げ、複雑な挿話群の重層化に見事成功したその様相を意味的・構造的な局面からアリオストの関心と受容の深層意識に論点を絞ってみたい。
- 1980-03-10