ジォヴァンニ・ボッカチオ『ダンテの作品』
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
第十四章 神曲にまつわるある異変のこと詩人がこの偉大な仕事に取りかかり、ことに『地獄界』の標題を持つ第一部の七章を、まったく異教徒的なところのない純粋にキリスト教徒の立場から素晴らしい構想で(じじつ、それ以前にはこういう風に取り扱ったものはない)創作していたころ、たまたま追放という、いや避難と言うべきかも知れないが、ある重大な事件がふってわいたのである。このため彼はその作品や他のいろいろな物を置き去りにして、自分の身の上もあやぶみつつ、幾人かの友人や貴顕と共に流浪することとなった。追記 ここに訳出したのはボッカッチォ著『ダンテの生涯』のうち、第十四章以下残り全部である。なお紙面の都合上、訳注を省略せざるをえなくなったことをお詫びしたい。
- イタリア学会の論文
- 1965-01-20