「ディスコミュニケーション」分析による協調支援の課題抽出 : 協調支援の共有課題に関する考察
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概要
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<アブストラクト>(1)「協調作業の支援」においては、設計者とユーザ(協調作業の当事者)の間に共有される解決課題が必要である。それは、協調作業支援が協調的行為の当事者に対する一種の操作であるために、その操作の正当性が求められることに基づいている。この、設計者とユーザの共有する課題が、同時に設計者の間で共有される課題でもあり、また、GWシステムの評価基準の根拠ともなる。(2)これまでGWがイメージしてきた望ましい協調作業像は、大きく「コスト削減」と「パフォーマンス向上(特に創発性向上)」の二要因で捉えることができ、特に日本においては、後者が不可欠な要因と在ってくる。しかし、「創発性」という概念は、プレークスルーの成功の原因として結果から遡及的に定義されていると考えられ、このことが「創発性向上」の共有課題化を困難にしている。(3)上記のジレンマを回避する課題設定として、「多様性の保持」、特にそのためのコスト削減を提示。実際の協調的行為の中で発生したコミュニケーションの齟齪の観察からも、提示した課題が成立する可能性が認められる。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1997-01-30
著者
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