音楽聴取とテストステロン(三)
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概要
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音楽が内分泌に及ぼす影響については、研究が少ない。この研究の目的は音楽聴取がテストステロン(T)分泌に及ぼす影響を調べることである。合計70人被験者(男性60名、女性10名)が二つの条件で実験を受けた: 30分の音楽聴取(被験者の好きな音楽、グレゴリオ聖歌、モーツァルト、ジャズ、ポピュラー音楽)と、30分の沈黙である。その間4回にわたって唾液を採取し、T値(フリー・テストステロン)をRIA法により測定した。その結果、音楽聴取により有意にT値が減少した。分散分析の結果、Tに主効果があり、音楽のカテゴリーとTの間に相互作用が見られた。Tは音楽能力やストレス、免疫反応などとも関係が深い物質である。本実験結果は音楽知覚・認知分野のみならず、音楽療法の基礎研究にも重要な資料となると同時に、音楽の「機能」にもあたらしい光をあてるものと考える。
- 1996-05-25
著者
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