ディジタル画像による浮世絵研究の試行
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概要
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本論文では, ディジタル画像の利点を生かした浮世絵美人画研究について, (1)モンフィング技術によって作成された平均顔からの仮説設定, (2)顔の人類学的計測特徴による難判別作者の判別, (3)美人画の3次元CG化作業を通した表現の考察について報告する.(1)では, 代表的浮世絵作者の平均的な美人面貌表現象を作成し, さらには歌麿の前期と後期との表現上の変化についての仮説を導いた.(2)では, 清長・歌麿・豊国, 広重・国貞・英泉・国芳, 歌麿前期・後期という, 一見判別の難しい作者の判別についての, 面貌表現上の判別指針を示しえた.(3)では, 歌麿作「高島おひさ」の3次元CGモデルを作成し, 従来実像からの誇張ばかりに着目されていた歌麿の面貌表現について, 意外と写実的である可能性が示唆された.これらの結果は, ディジタル画像を使用することによってはじめて得られた, 浮世絵研究のあたらしい視点である.
- 2000-10-27
著者
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