土器実測図描画システムの開発
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概要
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考古学遺跡からは多くの土器が発見され,これらの土器については可能な限り実測図が作られることになる。これまで簡易な図化器や3次元計測器を利用した高価で複雑なシステムが開発されているが,いずれも利用者の要求を満足させるものではない。その最大の理由は,考古学における実測図をCADなどで扱う設計図と同じものとして考えていたことにある。すなわち,土器の実測図を描くということは,その土器の形をそっくりそのまま描くのではなく,観察した結果を図として描くということである。そこでは,省略,誇張,補完などが頻繁に行われることになる。現在,筆者が中心となって開発を進めているシステムでは,2次元と3次元用の2台のCCDカメラを利用し,前者からのカラー画像をディスプレイ上に表示して,後者からの3次元計測データに基づいて作成された輪郭線を重ね合わせ,画面上で実測図を描くようになっている。文様等はあらかじめ部品として登録しておき,任意の位置・範囲に拡大・縮小して張り付けることができる。現在手作業で描いているのとほぼ同じ感覚で,実測図をより効率よく描き,かつイメージデータベースを自動的に作成できる。また,本システムは従来のこの種の計測機器がともすれば単独のシステムとして開発されているのに対し,あくまで遺物データベースを構築するためのシステムとして設計されている。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1997-05-23
著者
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