データグリッド環境における大規模データのパイプライン処理アーキテクチャの提案(セッション1 : データベース基盤技術)

概要

論文の詳細を見る
近年バイオインフォマティクス技術の発展にともない.in sillico 解析の速度が急速に向上している.in sillico解析の結果を創薬に適用するためには,観測装置を用いて実測による検証を行う必要がある.本稿では超高圧電子顕微鏡(UHVEM)やSPring-8をはじめとする高性能な観測装置のうち,特に画像を出力とする観測装置に注目し,たんぱく質のように3次元構造を観測する観測対象に注目する.また,注目する実験環境において,グリッドコンピューティング技術を適用することで観測時間を短縮し,かつ,より正確な実験結果が取得可能な環境を構築することを目指す.高性能観測装置から出力される画像データは高精細であり,データサイズも大きいため,3次元再構成やボリュームレンダリングなど,画像処理にかかる時間も長くなる.本稿では,グリッドコンピューティング環境における画像処理時間を短縮するため,入力データをフラグメント化し,パイプライン処理によって処理時間を短縮するアーキテクチャを提案する.また,提案するアーキテクチャにおいて検討すべき問題点について述べる.
2004-01-15