分娩時の会陰損傷による後遺症の経過に関する研究
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概要
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分娩時に, 第2度会陰裂傷となった褥婦と, 会陰切開術を受けた褥婦の産褥2ヵ月目までの後遺症の経過と2群の経過の差の有無を明らかにするため, 初産婦137名〔有効回答102名:74.5%, 第1度裂傷群36名(結果をより明らかにするためのコントロール群として採用), 第2度裂傷群29名, 切開群37名〕を対象に自記式質問紙を用いて縦断的調査を行った。その結果, 各調査時点(産褥早期, 産後1, 2ヵ月)での2群間の後遺症に差はみられなかった。産褥2ヵ月までの経過は各群共通であり, 生活動作の支障や尿意の低下および排尿困難は, 産褥1ヵ月目にはほぼ解消し, 排泄時の痛みや違和感は, 産褥2ヵ月間で徐々に軽減していくことや妊娠中からの尿失禁や会陰の痛み違和感が持続する不安感は, 産褥2ヵ月間では解消しないといった結果を得た。また, 産褥2ヵ月目において, 性交時の痛みや違和感がないとする者は, 30〜40%であった。これらのことから, 分娩時の損傷が筋層までである場合, その発生が人為的か自然であるかにかかわらず, 産褥2ヵ月までの長期的な経過は同様であることが明らかとなった。
- 日本母性衛生学会の論文
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