安全な出産と子どもの健やかな成育を目指して

概要

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著しい少子化が進む中で, その影響は年金問題を始め我が国の社会に深い翳りをもたらしている。一方, その少子化においてより, 産科, 小児科への医療のニーズは高まっており産科, 小児科の医師不足は社会問題化している。そのような状況下で, 我が国の周産期医療提供機能が著しく損なわれ, 安全な出産と健やかな子どもの成育が保障されないとすると, 少子化がますます加速される危機に陥っている。特に, 両科に関連する周産期医療においては, そのマンパワー不足は深刻な状況にある。そのため, 厚生労働科学研究で「小児科産科若手医師の確保, 育成に関する研究班」鴨下班が組織され, 3年間の研究が今年最終年度で, 産科, 小児科の医師の現状分析と確保, 育成に向けて検討が進められ, 最終年度の本年度に政策提言をすることになっている。この研究班では様々な観点から分析がなされ, 医療体制, 勤務条件, 環境問題などの諸課題が明らかになってきた。本年度から卒後臨床研修制度が義務化し, 2年間どの診療科の医師も新たに誕生しないわけで, 周産期医療を担う医師不足に拍車がかかっている。
日本母性衛生学会の論文