青年期女性の性成熟と食生活・栄養摂取量の関連

概要

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食生活が性成熟に与える影響を明らかにする目的で,女子大学生246名を対象とし,週間食品摂取頻度・摂取量法を用いた栄養摂取量の調査および月経と食生活に関するアンケート調査を実施した。結果,(1)未成熟群は成熟群に比べ,ダイエット経験ありと欠食ありの頻度が有意に高かった。(2)過去にダイエットで無月経になった者の栄養摂取量充足率は,エネルギー63%・たんぱく質64%・カルシウム48%・鉄43%・ビタミンC34%と不足していた。(3)毎日欠食ありの栄養摂取量充足率は,エネルギー69%・たんぱく質72%・鉄49%であり,欠食なしに比べて有意に少なかったが,砂糖菓子嗜好飲料は408%と有意に多かった。また,中学生期に欠食ありで現在も欠食あり20/26名(76.9%)は,中学生期に欠食なしで現在は欠食あり102/220名(46.4%)に比べて有意に頻度が高かった。以上より,ダイエットや欠食は栄養摂取量不足をもたらし,思春期から継続する可能性があるため,性成熟に影響を与えると考えられた。したがって,順調な性成熟を促すには,思春期前期から,食と性を結びつけた健康教育が重要であると考えられた。
日本母性衛生学会の論文