α,β,γ,δ-テトラキス(4-N-トリメチルアミノフェニル)ポルフィンを用いる微量銅(II)の吸光光度定量
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概要
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既報でα,β,γ,δ-テトラキス(4-N-トリメチルアミノフェニル)ポルフィン(ttmapp,H_2P)を用いる血清銅の吸光光度法を報告したが,より一般的な銅試料への応用のため,既報では触れなかったCu(II)とttmappとの反応の基礎的挙動を検討した.ttmappは他の陽イオンタイプのポルフィリン試薬よりCu(II)に対して倍の感度をもち,一方陰イオンタイプのもつ,酸性で溶解度が減少するという欠点もなかった.ttmappとCu(II)との錯形成反応は常温では遅いが,pHを5としL-アスコルビン酸ナトリウムを加えることにより数分間で定量的に反応した.pH1.2以下でttmapp(432nm)及びCu(II)錯体(411nm)のモル吸光係数(ε)は,それぞれ5.14×10^5,5.07×10^5 1mo1^<-1>cm^<-1>であった.銅1.22μgに対してSn(II)を除く,他の多くの金属イオンが高濃度で存在しても定量を妨害しなかった.又,吸光度0.001に対する感度は0.122ngCu cm^<-2>,63.3ppbの銅を10回定量した際の相対標準偏差は1.3%であった.本法を水道水中のCu(II)の定量に応用した.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1988-01-05
著者
-
伊藤 純一
北見工業大学化学システム工学科
-
岡 宏
北見工業大学環境工学科環境科学講座
-
小俣 雅嗣
北見工業大学化学システム工学科
-
小俣 雅嗣
北見工大
-
小俣 雅嗣
北見工業大学
-
伊藤 純一
北見工業大学分析化学教室
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