同位体希釈二次イオン質量分析法による半導体材料中のホウ素,ニッケル及びモリブデンの定量
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概要
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SIMSを用いた同位体希釈法による微量元素の分析方法を検討した.試料溶液にスパイクを添加した後,妨害成分を分離,除去する.この溶液を5μlまで濃縮してSIMS試料台へ滴下,乾燥させる.乾燥残留物試料をSIMSで分析し,測定した同位体比から目的元素を定量する方法である.10^<-9>〜10^<-6>gオーダーの天然のB,Ni及びMoの標準溶液を本法で分析したところ,3元素とも,相対誤差5%以内で定量できた.本法の応用として大規模集積回路(LSI)プロセスにおけるホウケイ酸ガラス膜中のB,ドライエッチングした後のシリコン基板中のNi,及び金属酸化物半導体LSIのモリブデン電極形成の際に,ゲート酸化膜中へ侵入したMoを定量した.求めた不純物の絶対量で,SIMSで個体試料を直接測定して得た不純物の深さ方向の二次イオン強度分布を校正し,各不純物の深さ方向の濃度分布をそれぞれ明らかにすることができた.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1987-04-05