ガスクロマトグラフィーによる海水及び底質土中の微量トリブチルスズ化合物の定量(<特集>環境汚染物質の分析化学)
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概要
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海水,底質土中の微量のトリブチルスズ化合物を塩酸酸性の条件で塩化トリブチルスズ(TBTC)に変換し,ヘキサンで抽出した後,電子捕獲型検出器(ECD)によるGCにより定量する方法を検討した.海水試料の場合は,試料(1000ml)に12M塩酸lmlを加えてよくかき混ぜる.これをヘキサン40mlずつを用いて2回抽出した.このヘキサン抽出液を0.06M塩酸25mlずつを用いて2回洗浄,無水硫酸ナトリウムで乾燥後,必要に応じて減圧濃縮し,ガスクロマトグラフで定量した.底質土試料の場合は,ソックスレー抽出器を用いて温泥状態の試料(20g)をメタノール100mlと12M塩酸1mlとの混合液で還流抽出(70℃/2h)した後,抽出液を10mlに濃縮し,100ml飽和塩化ナトリウム水溶液で溶解し,ヘキサン30mlずつを加えて2回抽出して,海水試料の方法に準じて定量操作を行った.分離カラムとしては60〜80メッシュのChromosorb WにThermon-HGを10%コーティングした充てん剤を,内径3mm,長さ3mのステンレスカラムに充てんしたものを用いた.海水,底質土を用いて添加回収実験を行ったところ,回収率は海水試料で84〜91%,底質土試料で89〜94%を示し良好であった.本法による定量限界は,海水試料で0.6μg/l,底質土試料でO.O3μg/gである.本法を,海水及び底質土中のトリブチルスズ化合物の測定に応用し,ppmないしppbレベルのTBTCを定量した.
- 1987-03-05
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