熱分解ガスクロマトグラフィーによるエチレン-酢酸ビニル共重合体中の酢酸ビニルの定量
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概要
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市販食品用エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)製品の酢酸ビニル(VAc)含有率の測定法を熱分解GCにより検討した.妨害ピークを少なくし,感度良くVAcから脱離する酢酸を検出するために,エチレン連鎖の熱分解をできるだけ抑え,得られた酢酸ピークを単位重量当たりに換算して定量を行った.最適熱分解条件は温度500℃,時間2秒であった.検出限度はVAcの絶対量として10μg,試料量を1mgとすると含有率として1%であった.一般に市販されている食品用EVA製品に本法を適用したところすべて10%以下であり食品衛生法のポリエチレン(PE)を主成分とする合成樹脂規格の適用を受けることを確認した.以上より食品用EVAはVAc含有率が非常に少なく,PEを改質した程度であることが分かった.通常PEには極端に多量の添加剤は使用されないため,アルカリ土類金属などの妨害の影響はないものと考えられる.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1987-12-05
著者
-
風間 成孔
東京都立衛生研究所
-
吉田 令子
東京都立衛生研究所
-
渡辺 悠二
東京都立衛生研究所
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佐藤 憲一
東京都立衛生研究所
-
渡辺 悠二
東京都健康安全研究センター 食品化学部食品添加物研究科
-
渡辺 悠二
化学技術戦略推進機構 高分子試験・評価セ
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