溶媒抽出を導入したフローインジェクション分析法によるオルトリン酸の定量

概要

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溶媒抽出を導入したフローインジェクション分析法によるオルトリン酸の定量法を確立した.概略は次のとおりである.試料の20*lをロータリーバルブでキャリヤー(モリブデン試薬:1%モリブデン酸アンモニウムの0.8 N塩酸溶液,0.8ml/min)中に導入し,セグメンターでキャリヤーと有機相(酢酸イソプチル,1.0ml/min)とを合流させ,規則正しい二相のセグメントを作る.二相のセグメントが抽出コイル(0.5 mm i.d.×2m)を通る間に試料中のオルトリン酸は酸化モリブデン(VI)と錯体を形成しながら有機相セグメソトに抽出される.有機相を相分離器で分離し,検出器で抽出した錯体の310nmにおける吸光度をモニターする.検出限界は0.01ppm(200pg, P),定量範囲は(0.25〜25)ppm,分析速度は1時間当たり80検体,繰り返し分析精度は1ppm及び10ppmの各濃度において相対標準偏差(n=15)でそれぞれ2.1%及び1.8%であった.本法でのオルトリン酸測定への二リン酸,三リン酸,オルトケイ酸及びヒ酸の妨害は認められなかった.ヒト精しょう並びにヒト尿中のリン酸の定量に本法を応用した結果,(85〜127)mg/dl及び(22〜63)mg/dlの値がそれぞれ得られ,Fiske-Subbarow法による値と極めて良好な相関を示した.
1982-11-05