アルキル水銀化合物のガスクロマトグラフィー質量分析
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概要
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X基がヨウ素、臭素、塩素のRHgX型アルキル水銀化合物は加熱によって安定に気化するが、X基が酢酸基、水酸基、硫酸基、リン酸基の化合物では加熱によってRHgRの生成を伴う熱分解が起こる。前者に属する化合物はガスクロマトグラフィーにおいて試料の一部がカラム内に強く吸着されて残留するが、R基またはX基の異なる化合物(R'HgX')の導入によって、吸着されていた前記の化合物は置換されて溶出する。この際カラム中に吸着されたRHgXと、キャリヤーガス中のR'HgX'との間には一種の吸着平衡が存在するため RHgX とR'HgX'とが同保持時間に溶出する。カラム担体上に金属塩化物または臭化物を存在させると導入したRHgX型化合物で前者に属する化合物は定量的にX基を交換し、RHgClまたはRHgBrとなって溶出するが、後者に属する化合物は導入試料の大部分が試料注入口付近で熱分解するため、カラム頂点部に到達した一部の試料のみがX基交換に関与して微量のRHCl、またはRHgBrを溶出する。これらの実験結果からngレベルでのRHgX型アルキル水銀化合物のガスクロマトグラフィーでの挙動を推論した。
- 1975-03-10
著者
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