高周波誘導加熱炉燃焼/赤外線吸収法による鋼中微量炭素・硫黄の同時定量
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
高周波誘導加熱炉燃焼/赤外線吸収法による鉄鋼試料中の微量炭素及び硫黄の定量技術は,炭素や硫黄を単独で分析する場合には精度よく定量する方法が知られているが,微量域の同時定量法の詳細はほとんど報告されていない.本報では,鉄鋼中の微量の炭素と硫黄の同時定量方法を検討した.燃焼条件は,試料1.0gに助燃剤の金属 W 0.5g と金属 Sn 0.18g の混合配合の時に分析強度が高く,精度も良好であった.磁製るつぼや助燃剤からの空試験値は,あらかじめ1110℃で2時間加熱したるつぼに助燃剤を投入し,460℃で15分以上加熱して低減した.試料の表面汚染は,るつぼが高温状態の時に試料を投入して除去した.また,硫黄の分析強度を安定させるには,目的とする試料を分析する前の硫黄の高含有量試料による捨て焼きが有効であった.鉄鋼認証標準物質を用いた検量線は直線性がよく,分析精度も良好となった.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 2002-11-05
著者
-
滝沢 佳郎
川鉄テクノリサーチ(株)分析・評価事業部
-
宮城 知代子
川鉄テクノリサーチ(株)分析・評価事業部
-
森戸 延行
川鉄テクノリサーチ(株)分析・評価事業部
-
大室 喜久子
川鉄テクノリサーチ(株)分析・評価事業部
関連論文
- 6.3.1 自動車用鋼板(6.3 新製品, 6. 表面処理)(21 世紀へ向けて-鉄鋼技術 10 年の軌跡)
- 微量TiによるFe-B-Si系非晶質合金の磁気特性の劣化
- 人工微細Feさびによる保護性さび形成効果 - 耐候性鋼用保護性さび形成促進処理技術(第1報) -
- 耐低温チッピング性,塗装後鮮映性に優れた自動車車体外面用有機複合被覆鋼板の開発
- 不均一組織をもつ鉄鋼材料の微小部 X 線回折による評価(微小域構造解析)(分析評価・解析)
- 表面被膜を施した鉄基非晶質合金の磁気特性 (新分野技術特集号(〔川崎製鉄K.K.〕技術研究本部千葉施設開設20周年記念))
- 有機複合被覆鋼板の電着塗装後の鮮映性におよぼす濡れ性の影響
- 溶融亜鉛浴中ドロスの存在状態及び流動挙動
- 高効率モータ用無方向性電磁鋼板50RMA350の開発
- 複合サイクル腐食試験における有機複合綱板の耐食性機構
- 複合サイクル腐食試験における有機複合被覆鋼板の腐食挙動
- 溶融 Zn 浴中ドロスの存在状態
- 627 3% 珪素鋼の繰返し曲げ特性に及ぼす諸因子の影響(電磁鋼板・集合組織・熱延薄板・線材, 材料, 日本鉄鋼協会第 104 回(秋季)講演大会)
- 高周波誘導加熱炉燃焼/赤外線吸収法による鋼中微量炭素・硫黄の同時定量
- 表面技術から見た電磁鋼板と自動車・家電用鋼板
- 川崎製鉄の方向性電磁鋼板の歴史と最近の進歩 (電磁鋼板特集号)
- Corrosion Resistance Tables, Metals, Nonmetals, Coatings, Mortars, Plastics, Elastomers and Linings, and Fablies, 改訂・拡充第 3 版, P. A. SCHWEITZER 著, 1991 年 Marcel Dekker, Inc. 発行, B5 判, 2776 頁, 定価 $287.50
- 自動車用鋼板の表面処理化と研究発表活動の推移
- 選択酸化により誘起されるFe-B-Si系非晶質合金の表面結晶化
- 単ロ-ル法による非晶質合金薄帯に生じる微小突起の生成機構
- 非晶質合金中の擬弾性的構造欠陥の濃度とクリ-プ変形による配向
- 無方向性電磁鋼板の打ち抜き加工性を向上する電気絶縁被膜(電磁鋼板・ステンレス鋼の表面処理)(鋼材の表面処理)
- 高感度反射電子スペクトルからみたベンゾトリアゾールによる銅の腐食抑制機構
- 赤外反射スペクトルからみた銅の大気酸化とベンゾトリアゾールによる抑制
- Fe(III)を溶解抑制剤としたLiF(100)面のエッチパターンと陰イオンの役割
- Cu(II)を溶解抑制剤としたLiF(100)面のエッチパターンと溶液内Cu(II)錯体の構造との関連
- 赤外および可視紫外反射スペクトルからみた銅上のベンゾトリアゾール塩被膜の構造