高導電性電解重合ポリアニリンの生成機構と単位構造
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概要
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アニリン及びアニリン誘導体を含む酸性水溶液をそれぞれ二つの電解モード(電位走査法, 定電流法)により電解重合を行った結果, 比較的高い電気伝導度を与えるポリアニリン類は次の独特の固相重合成長機構で得られることが明らかとなった.(1)重合初期に比較的低い分子量の核ポリマーが電析する.(2)電析した核ポリマーが直接電解酸化され核ポリマー内に陽イオンラジカルが発生する.(3)その陽イオンラジカルが溶存するモノマーを酸化し取り込みながら重合が進行する.更にこの重合成長はファラデー則に従ったことに着目し, 電量分析によりポリアニリンについて, 反応電子数や重合反応からポリアニリンの化学構造の解明も試みた.その結果, ポリアニリンの単位構造は従来報告されている1,4-置換型でベンゼノイド構造とキノイド構造が交互したものではなくベンゼノイド構造が主体であることが明らかとなった.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1997-05-05
著者
-
矢野 潤
東亜大学工学部食品工業科学科
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矢野 潤
新居浜高専
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矢野 潤
東亜大学工学部
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木谷 晧
広島大院工
-
吉河 研一
三井デュポン・ポリケミカル(株)
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木谷 晧
広島大学工学部応用化学講座
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吉河 研一
三井・デュポン・ポリケミカル
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木谷 晧
広島大学工学部
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