硫酸水素アンモニウム融解による難溶性タングステン化合物の迅速分解と分析への応用
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概要
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難溶性の酸化タングステン(VI), 炭化タングステン(IV)及び硫化タングステン(IV)の分解方法として, 硫酸水素アンモニウム融解法を検討し, 迅速簡便な方法を確立した.すなわち, 硬質ガラス製試験管にタングステン化合物試料と硫酸水素アンモニウム約2gを入れて混合した後, バーナーの小さなフレームで350〜450℃に加熱する.約4〜8分間の加熱で分解は十分である.固化した融解物を10%(w/v)酒石酸アンモニウム水溶液で溶解し, 溶液中のタングステンを原子吸光法で定量する.本法を典型的な難溶性タングステン化合物である超硬合金試料及び鉱石試料の分解に応用し, 試料中のタングステン, コバルト及び鉄を定量した.定量値は表示値とよく一致した.本法は試料の分解過程を目視で確認でき, 容器の損傷がなく, 高濃度のアルカリ金属を含まない試料溶液を容易に調製できるなどの特色がある.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1997-02-05
著者
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