固定化疎水性単分子層を用いる希薄ダイオキシンの濃縮と連続的光分解
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
多孔性シリカゲル表面に固定化された疎水性単分子層に保持されたテトラクロロジベンゾ-p-ダイオキシンの紫外線ランプによる光分解反応を検討した.その結果, 1,2,3,4-テトラクロロダイオキシンは均一溶液中での反応と比較して速度は小さいものの光分解を受けることが明らかとなった.又, 通常固体表面上での光分解反応が遅いことが報告されている2,3,7,8-テトラクロロダイオキシンも極めて迅速に光分解を受けることが明らかとなり, これらの反応は太陽光でも進行することが確認された.更に, 水系溶媒中に希薄な濃度で存在するダイオキシンをクロマトグラフィーの原理で固定化単分子層に濃縮し, これに直接光照射を行うことで連続的な光分解を試みた.この結果, ダイオキシンは有効に疎水性単分子層に濃縮され, 紫外線ランプによるダイオキシンの光分解も迅速に進行し, 連続的に濃縮と光分解を行うことが可能であることが示された.更に, 生成物の分析により, 固定化単分子層での光分解では, いずれの場合も最初に2位の塩素原子の脱離による1,2,4-トリクロロダイオキシンの生成が認められるものの, 更にダイオキシン環の開裂を伴い, カテコール類, あるいはフェノール類にまで分解が進行しているという知見が得られた.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1994-11-05
著者
-
田中 信男
京都工芸繊維大学環境科学センター
-
細矢 憲
京都工芸繊維大学繊維学部
-
細矢 憲
京都工芸繊維大学大学院工芸科学研究科
-
木全 一博
ナカライテスク(株)研究所
-
D. G.
Centers for Discase Control, Environmental Health Laboratory Sciences
-
田中 信男
京都工繊大 大学院工芸科学研究科
-
木全 一博
京都工芸繊維大・繊維
-
田中 信男
京都工芸繊維大学
-
D. G.
Centers For Discase Control Environmental Health Laboratory Sciences
関連論文
- チアカリックスアレーン修飾均一径ポリマー粒子の調製とその特性解析
- 理工系大学初の全学ISO14001取得 : 「環境マインド」を持つ人材の育成
- 電気化学検出高速液体クロマトグラフィーによる環境水中のng/lレベルのビスフェノールAの定量
- ナノ分子認識部位を有する生分解性吸着剤の開発と実際の水環境浄化・分析(ナノ空間と分析化学)
- JABEEの認定を受けて
- 招待講演 次世代のクロマトグラフィー分離媒体 (2001年 第8回クロマトグラフィーシンポジウム--21世紀の分離・検出科学と機能ゲノミクス) -- (セッション1 新しい分離媒体とミクロ化技術1)
- オリゴエチレンイミンの両末端ニ官能化法の高分子への応用.三元重縮合による変性ナイロン-6,6の合成およびホモポリアミドの白金(II)錯体
- 固定化疎水性単分子層を用いる希薄ダイオキシンの濃縮と連続的光分解
- 逆相クロマトグラフィー用ニトロフェニル基結合型シリカゲル充てん剤の保持特性の検討とダイオキシン異性体分離への適用分離(その2)
- 精密分離のための有機ポリマ-充てん剤 (新しい分離技術)
- 高速液体クロマトグラフィー充てん剤
- 液体クロマトグラフィー法の基礎 (第13回クロマトグラフィーシンポジウム) -- (ワークショップ B テーマ「初心者のための液体クロマトグラフ法基礎講座」)
- モノリス型シリカカラムによるHPLCの高性能化
- PA26 メソゲン基を含むカルバゾール誘導体の液晶相における光電導・光物理特性(2004年日本液晶学会討論会)
- メタボロミクスを志向したクロマトグラフィー分離--モノリス型シリカカラムによる多次元HPLCの可能性 (特集 植物メタボロミクス)
- 高速液体クロマトグラフィー用充てん剤
- 新しいキャピラリー電気泳動用光学分割剤
- 逆相クロマトグラフィ-用シリカゲル系充てん剤の構造と機能
- 逆相クロマトグラフィ-充填剤--構造と機能
- アフィニティー樹脂 : 創薬標的タンパク質を"直接"釣り上げる古くて新しいツール : 非特異的タンパク質吸着が少なく化学的に安定な樹脂の開発
- シリカ連続体カラムによるHPLCの高性能化
- ODS化シリカロッドカラムにおけるドメインサイズの影響
- 血清試料の直接注入による薬物の分析のためのモレキュラーインプリンティングポリマーの調製
- ミクロシスチンの認識
- フラグメントインプリント法によるミクロシスチン類の認識
- 新規強アニオン交換ポリマーを用いたセミミクロカラムLC/パルス式電気化学検出器による糖類の高感度分析
- 均一粒径アニオン交換体ポリマー充填剤を用いたセミミクロカラムLCによる糖類の高感度分析
- クロマトグラフィーのマイクロチップへの集積化
- モノリス型シリカカラムの調製と性能評価
- ポリアリルアミンを担体とする動電クロマトグラフィー用キャリアの特性の検討
- 多孔性シリカモノリス型カラムのHPLCおよびCECにおける特性解析
- 多孔性シリカ連続体のCECへの適用
- 新しい温度応答性粒子径均一ポリマー充てん剤の開発
- ITに対応する分離素材の開発と応用
- 空間的多要素認識に基づく構造類似体の新しい認識・評価法の構築
- モレキュラーインプリントに学ぶポリマー充てん剤の高性能化
- 鋳型分子を用いないモレキュラーインプリント法?
- 逆相クロマトグラフィーにおけるシリカゲル系、ポリマー系、及びグラファイトカーボン充てん剤の保持特性に関する研究
- 逆相クロマトグラフィーにおける固定相の分極率と保持特性に関する研究
- 液体クロマトグラフィーによる水素/重水素同位体化合物の分離に対する固定相の効果・疎水性相互作用と分散相互作用
- モレキュラーインプリント法による分子認識の研究
- 親水性相互作用クロマトグラフィー(HILIC) : 開発の背景, および分離モードの特徴
- 有機ポリマー系固相吸着剤の調製-吸着特性と選択性の付与
- HPLC充填剤の高性能化への基礎的アプローチ
- ペンタブロモフェニル基を化学結合したHPLC充てん剤の保持特性
- モレキュラーインプリンティングを用いる多孔性ポリマー粒子の微細細孔構造制御による多分子認識能の発現
- SPG膜乳化法で調製した粒子径均一多孔性ポリマー粒子のHPLC用充てん剤としての特性
- HPLC充填剤の高性能化への基礎的アプローチ
- 分離カラム開発の変遷とシリカモノリス、クロマトグラフィー科学会、国際シンポジウム
- 馬場嘉信教授、メルク賞を受賞