固定化酵素リアクターと電気化学検出器を用いた高速液体クロマトグラフィーによるグルコースとマルトースの同時定量
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概要
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球状シリカビーズ表面にグルコースオキシダーゼ(GOD)とグルコアミラーゼ(GAM)を共有結合で固定化し, ミニカラムに充てんしてミクロなバイオリアクターをつくり, 高速液体クロマトグラフの分離カラムの後に接続した.グルコースはGODの触媒作用により過酸化水素とグルコノラクトンを, マルトースはGAMによりグルコースを生じ, 更にこのグルコースがGODにより過酸化水素を生じる.生成した過酸化水素を電気化学検出器でアンペロメトリックに測定し, グルコースとマルトースの間接定量を試みた.本方法の検出感度は, GOD固定化カラムを用いた化学発光-FIA法やGOD・GAM固定化カラムを用いた化学発光-FIA法とほぼ同等であり, 示差屈折率検出器を用いるHPLC法よりも約500倍高かった.最小検出量は絶対量でグルコースが10ng, マルトースが15ng(いずれもS/N=3)であった.本法は酵素の触媒作用, 電気化学検出器の選択的で高感度な検出を利用しているため, 前処理が極めて簡略化でき, 試料を希釈するだけでよかった.市販の麦芽飲料, 麦芽入り豆乳, ノンアルコールビール中のグルコースとマルトースの定量に応用し, 良好な結果が得られた.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1992-07-05
著者
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村上 和雄
東京家政大学環境情報学科環境有機化学研究室
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掛本 道子
中央大学理工学部
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掛本 道子
中央大学理工学部応用化学科
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村上 和雄
中小企業大学校
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原田 敏勝
中小企業大学校
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山田 約瑟
工業技術院化学技術研究所
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小川 裕康
(株)バイオテック・ラボ
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小川 裕康
株式会社バイオテックラボ
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