シリカゲルカートリッジカラムを用いた大気中農薬の定量
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
大気中の多種類の農薬の残留実態を, 同時にかつ簡便に調査する方法を開発した.農薬15化合物を対象に, 10種類の固体吸着剤による大気中の農薬の捕集率を測定したところ, クロモソルブ102、シリカゲル、セップパックシリカの捕集率が高く, 平均して約90%以上を示した.特に、セップパックシリカカートリッジは取り扱いが簡便であるので, 破過, 保存安定性などの実用性を検討した.農薬をセップバックシリカカートリッジに添加してその安定性を調べたところ, 5℃で1日間保存した場合, dichlorvosを除く14化合物には減衰は見られず, 7日間保存した場合でも, dichlorvosとedifenphos以外は安定であった.なお, dichlorvosも-15℃以下では安定であった.又, いずれの農薬も破遇を示さなかった.稲に農薬を散布した後の気中濃度の測定に本法を応用したところ, 実用可能であることが確認された.供試農薬の蒸気圧は, dichlorvosを除くと0.03〜620mPaであり, 多くの農薬の蒸気圧はこの範囲に入るので, セップパックシリカカートリッジを吸着剤に用いることで, 相当数の農薬が同時に捕集できる.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1992-05-05
著者
関連論文
- 残留農薬に関するポジティブリスト制度の施行と対応(ポジティブリスト制度の施行と対応)
- シリカゲルカラムを用いた大気中農薬の測定方法
- 固体吸着法による大気中の土壌くん蒸剤の捕集方法
- 大気中の農薬濃度の予測における面源プルームモデルの検証
- 大気環境中の農薬の動態に関する研究
- シリカゲルカートリッジカラムを用いた大気中農薬の定量