固体吸着法による大気中の土壌くん蒸剤の捕集方法
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概要
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大気中の土壌くん蒸剤の効率的な捕集方法の検討を行った.10種類の固体吸着剤を用い, クロロビクリン(CP)及びl, 3-ジクロロブロペン(DCP)の破過容量を測定し, 各吸着剤の吸着能力を比較した.ポラパック系の吸着剤の破過容量は, おおむね100〜1000l/gであり, 特にポラパックTは2500l/g以上を示した.ポラパック系以外の吸着剤の破過容量は, ほとんどが20l/g以下であった.CP及びDCPの吸着剤中での安定性は, ポラパックQ中が最も安定であった.ポラパックT中での安定性はポラパックQと比べてやや劣ったが, 実用上は問題のない程度と思われる.ポラパックTによる回収率は, 採気量が101のとき, CPの添加量が0.5〜250ng, DCP(Z)は10〜250ng, DCP(E)は10〜500ngで80%以上の回収率が得られた.採気量が11では, CP, DCPとも添加量が1〜10μgで80%以上の回収率が得られた.しかし, ポラパックQは, CP, DCPとも10ng〜lμg/101のとき, 回収率は50%以下であった.従って, ポラパックT(0.2gを使用)は, 採気量を1-101の範囲とすることにより, CP及びDCPの大気中の濃度がそれぞれ0.05μg/m^3〜l0mg/m^3,1μg/m^3〜l0mg/m^3程度のとき, これらの吸着剤として実用可能であると思われる.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1990-06-05
著者
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