内標準法を用いる誘導結合プラズマ発光分析法による工場排水中の重金属の定量
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概要
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ICP-AESにより工場排水中の重金属を定量するに当たり, 試料溶液の粘性などの影響を取り除くために内標準法及び希釈法を試みた.内標準元素としてはイットリウムを用い, 希釈法では試験溶液中の測定元素の濃度に応じて, 試験溶液を5〜100倍に希釈した後, 各金属を定量した.工場排水の酸分解液をそのまま用いた場合, 通常法ICP-AESによる分析値(y)とフレームAASによる分析値(x)・を比較したところ, ICP-AESの分析値のほうがやや小さい値となり, 両者の関係はy=0.88x-0.01(r=0.997,n=120)となった.内標準法を用いたICP-AESによる分析値(y')は, y'=1.03x+0.09(r=1.000,n=50)で表されるように, フレームAASの分析値(x)とよく一致した.なお, 試料の酸分解液を可能なかぎり希釈して共存塩の濃度を下げることによっても, ICP-AESの分析値はフレームAASの分析値とよく一致したが, 操作の簡便性から内標準法のほうが実用分析法として優れていた.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1991-05-05
著者
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