ヘテロポリモリブデン錯体の分析化学的研究
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概要
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水・有機溶媒混合系で幾つかのヘテロポリモリブデン錯体が特異的に生成することが分かった.すなわち, 経験的に予見されていながら, これまで発見されなかった錯体(β-[PMo_<12>O_<40>]^<3->), 多くの試みが不首尾に終わって, もはや存在しないのではないかと考えられていた錯体([S_2Mo_<18>O_<62>]^<4->, [SMo_<12>O_<40>]^<2->, [S_2Mo_5O_<23>]^<4->, 同種のヘテロ原子が核とMoO_3縮合環の双方に入るもので, これまでその存在の推定すらできなかった一連の錯体([VMo_<12>O_<40>]^<3->, [V(VMo_<11>)O_<40>]^<4->, (V(V_2Mo_<10>)O_<40>]^<5->, [V(V_3Mo_9)O_<40>]^<6->), 存在が認められていてもその実態が明らかでなかった錯体([P_2Mo_<18>O_<61>]^<4->), HPO_3^<2->を含有していても電気化学的に還元されて青色となる錯体([(HP)_2Mo_<12>O_<42>]^<4->)とその類縁錯体([(HP)_5Mo_6O_<33>]^<10->, [(HP)_4Mo_8O_<36>]^<8->)などが, それである.これらの錯体の単離法と分光学的特性, 構造化学的性質, 溶液中での反応性を明らかにし, これらがヘテロポリモリブデン法による酸素酸陰イオンの特異的分析法の基礎錯体となることを総合的に考察した.又, 各種のリン化合物とモリブデン酸との反応性を類別し, この結果が, リン化合物の含水酸化鉄への吸着現象とよく対応することを論じた.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1991-10-05
著者
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