熱処理したカーボンファイバーの細孔構造と陽イオン捕そく
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概要
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熱酸化し, 多孔質化したカーボンファイバーによるイオン捕そくの実験を行い, 電気化学酸化したファイバーの特性と比較検討した.更にイオンのカーボン表面上への吸着機構も検討した.カーボンファイバーは熱処理によってBrunauer-Emmett-Teller(BET)表面積及び細孔体積が増加した.イオン捕そく量を電気化学酸化したファイバーと比較すると, 同じBET表面積では熱酸化したファイバーのほうがその量は少なく, その化学的表面状態も異なっていることが分かった.イオンの捕そく量がBET表面積に比例し細孔体積の1/2乗に比例することから, 細孔の深さは表面酸化を行ってもほぼ一定であると分かった.又, 熱酸化したファイバーは電気化学的に処理したファイバーに比べて水素イオンに対する選択性が大きかった.その理由として, カーボン表面上にある特異吸着サイトの種類とふるい効果を考えた.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1991-01-05
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