アクリロニトリル-スチレン共重合体の各種組成分析法の比較と紫外吸光係数の組成依存性
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概要
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アクリロニトリル-スチレン共重合体の組成分析を行ったところ, NMR法及び窒素分析法では互いに良く一致したが, UV法ではスチレン含有量が小さく見積もられることが分かった.組成の異なる共重合体を合成し, 窒素分析法, NMR法, UV法, IR法により組成を求めた.窒素分析法及びNMR法によって求めた組成を基にして, UVスペクトルの各吸収極大波長における吸光係数を求めたところ, アクリロニトリル成分の結合と共に淡色効果を示すことが認められた.又吸収極大波長は浅色移動した.IRスペクトルでは, 2240cm^<-1>のアクリロニトリル成分の特性吸収はスチレン成分の結合と共に濃色効果が認められた.スチレン成分の特性吸収のうち1500cm^<-1>では重合条件によって吸光係数に違いが認められた.一方1600cm^<-1>ではその違いは認められなかったが, 吸光係数が小さく, 測定精度に問題があった.以上のことからこの共重合体の組成分析において, UV法とIR法を適用するのは適当でないと結論した.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1990-02-05
著者
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