窒素マイクロ波誘導プラズマ質量分析法による河川, 湖水中のバナジウム, クロム, ヒ素, セレン, モリブデンの定量
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概要
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窒素マイクロ波誘導プラズマ質量分析計(N_2MIP-MS)を用いた陸水中のV, Cr, As, Se, Moの分析方法を確立した.N_2MIP-MSは, 上記元素において, ICP質量分析計にて問題となっているプラズマ由来のスペクトル干渉(^<40>Ar^<12>C, ^<40>Ar^<35>Cl, ^<40>Ar_2など)はないが, 陸水中の主成分元素由来のスペクトル干渉は, 十分検討する必要がある.本報告では, 塩化ナトリウムや炭酸カルシウム溶液などを用いてN_2MIP-MSにおけるスペクトル干渉を検討した.その結果, ^<51>Vに干渉する^<14>N^<23>_2Na^+の生成が確認されたが, ほかの目的元素のm/zには, 顕著な干渉は存在しなかった.^<51>Vに対する^<14>N^<23>_2Na^+の干渉は, プラズマ出力を増加して, ^<14>N^<23>_2Na^+の生成を減少させ, 試料を純水にて5〜10倍に希釈することで抑制された.確立した条件を用い, River Water Reference Material for Trace metals (NRC・CNRC SLRS-4), 日本分析化学会河川水標準物質"添加"(JAC 0032)を分析した結果, 分析値は保証値又は既報値と良く一致し, 本法が有用であることが明らかとなった.更に実試料として, 国内13河川と琵琶湖湖水の分析を行った.本法の検出限界(バックグラウンド信号の3σに相当する濃度)は, V, Cr, As, Se及びMoについて, それぞれ0.3, 0.2, 8.3, 26, 4.0ng/lであった.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 2001-09-05
著者
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山本 和子
株式会社日立ハイテクノロジーズ那珂アプリケーションセンタ
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白崎 俊浩
株式会社日立ハイテクノロジーズ那珂アプリケーションセンタ
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白崎 俊浩
(株)日立サイエンスシステムズ テクノリサーチセンタ
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西野 庸
(株)西日本技術コンサルタント
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山本 和子
(株)日立サイエンスシステムズ テクノリサーチセンタ
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