誘導結合プラズマ質量分析法及び誘導結合プラズマ発光分析法による野菜試料の多元素定量分析 (<特集>健康と分析化学)
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概要
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誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS)及び誘導結合プラズマ発光分析法(ICP-AES)を用いて,野菜試料中の多元素定量を以下のように行った。まず,ホウレンソウ乾燥試料0.5gをテフロンビーカーに入れ,硝酸とフッ化水素酸を加えてホットプレート上で加熱分解した。この溶液化した試料を内標準元素(Ge,In,Re各10ppb)を含む1mol dm-3HNO3溶液に調製後,ICP-AES及びICP-MSで測定し,%レベルで存在する元素からppbレベルで存在する元素まで約40元素の定量値を得た。また,異なる産地で栽培されたホウレンソウ試料について,元素濃度の平均とそのばらつきの大きさを検討した。主成分及び少量元素の中で,B,Mg,P,Kの濃度は試料によるばらつきが小さく,一方Ca,Na,Al,Mnについては変動係数が50%以上となった。微量元素及び超微量元素の変動係数は全般的に高く,100%を超える場合も見られた。更に,本分析法を11科23種類の野菜の多元素定量分析に応用し,野菜の種類による元素濃度の類似性と差異を明らかにした。
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 2000-06-05
著者
-
原口 紘〓
名古屋大学
-
松浦 博孝
名古屋大 大学院工学研究科
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松浦 博孝
名古屋大学大学院工学研究科
-
保倉 明子
名古屋大学大学院工学研究科応用化学専攻
-
小栗 佐知子
名古屋大学大学院工学研究科応用化学専攻
-
保倉 明子
「原子をみる」特集小委員会
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- 2000年度日本分析化学会奨励賞受賞者江坂幸宏氏