イオン水相 | 有機相界面移動に及ぼす水相中の高濃度ショ糖,尿素の影響

概要

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2.4Mのショ糖や9.8Mの尿素のような高濃度非電解質を含む水(W)と1,2-dichloroethane(DCE)の界面でのイオン移動ボルタモグラムを,微小W|DCE界面を採用して測定した.ボルタモグラムの解析から,高濃度のショ糖や尿素は,アルカリ金属イオン,アルカリ土類金属イオン,ハロゲンなどのW中での拡散やイオンと水の間に働く遠距離相互作用にはある程度の影響を与えることが分かった.一方,W中でのイオンのストークス半径,中性分子をWに溶解するための空孔形成エネルギー,イオンと水分子間に働く近距離相互作用は,高濃度のショ糖や尿素の影響を大きくは受けないことも分かった.これらの結果は,ショ糖は水の構造を形成するとしていた従来の考えを支持せず,また,尿素の水構造破壊への寄与も大きくはないことを示す.更にアルブミンとの錯生成によって変化するCa^<2+>の界面移動電位を測定し,アルブミンの変性とW中での空孔形成エネルギーに与える尿素濃度の影響は類似していることを見いだした.
社団法人日本分析化学会の論文
2003-09-05