相談型会話における話題の選択方式
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概要
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現在我々は自然言語インターフェースの研究の一環として、特許ライセンス契約の作成支援を目的としたシステムの開発を進めている。このシステムにおいてはユーザとシステムとが自然な日本語による会話を通じて相談しながら契約書を作成していくというかたちをとっている。したがって、契約書を作成するのに必要な条件(契約条件)を、現実世界でのユーザの希望や事実をもとにして得ることが必要となる。相談的な質問応答システムには、データベース検索型のものとエキスパートシステム型のものと二つのタイプがある。前者のデータベース検索型のものはユーザが質問者、システムが回答者という構成をとっており、したがって話題の提供はおもにユーザ側から質問という形でなされ、システム側からなされることはほとんどない。これに対し、後者のエキスパートシステム型のものでは、最終的な解答者はシステムではあるものの、会話を行なう途中のプロセスでのおもな質問者はシステム側であり、ユーザは回答者である。したがってデータベース検索型のものとは異なり、システム側から積極的な話題の提供が行なわれている。本システムはこのエキスパート型のものである。したがってシステム側から話題の提示を行ないつつ会話をすすめる必要がある。しかし、ユーザからのスムースな会話で希望・事実を聞き出すという観点からみると、現在までのエキスパートシステム型の質問応答システムで行なわれる会話は非常に貧弱であるといわざるをえない。たとえば、システムの内部の世界でもっている概念をそのままユーザに対する質問として用いていたり、それをユーザの意図を無視した順番で質問したりしている。このことがユーザにとってわかりにくい、ぎくしゃくした会話の原因となっている。今回、このようなシステム側から積極的に話題を提供する会話(システム主導型の会話)においてユーザにとってわかりやすくかつスムースな会話を行なうために必要な次話題選択の一方式について報告する。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1986-10-01
著者
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本池 祥子
松下電器産業(株)マルチメディアシステム研究所
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鈴木 浩之
松下電器産業株式会社
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鈴木 浩之
(株)ディジタル・ビジョン・ラボラトリーズ
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本池 祥子
松下電器産業株式会社
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本池 祥子
松下電器産業 マルチメディアシステム研
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鈴木 浩之
松下電器産業(株)東京情報システム研究所
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