協調分散オフィス構築手法
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概要
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大規模なソフトウェア開発は協力会社等との連携により行われることが多く、すべての開発者が同じ空間で作業を行えないことが多い。また、そのような空間を用意することはコストを上げる。そこで分散開発環境の構築が必要となる。情報通信技術の進歩に伴いソフトウェア開発等の知的生産が分散して行えるようになりつつある[1]が、ソフトウェア開発等の知的生産における問題は社会学的なものであり、分散化は困難であるという意見もある[2]。これはMulti People Problems と呼ばれる問題[3]であり、特に意思疎通の問題が大きい。その理由としては暗黙知の存在がある[4]。分散した環境において円滑に協調作業を行うためには暗黙知を共有・伝達する仕組が必要である。また、ソフトウェア開発は知的生産であると言われる。知的生産とは暗黙知を形式知へ変換することであると言われており[5][6][7]、暗黙知から形式知への変換には、協調すなわち社会的なインタラクションと集中とのバランスをとる必要がある[5]。したがって、円滑な知的生産を行うには、豊かな暗黙知を醸成し、暗黙知を形式知へとスムーズに変換するとともに、形式知を伝達・共有するための環境が必要である。このように協調しながら分散して知的生産活動を行うためのオフィス環境の構築が必要となる。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1997-09-24
著者
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池田 文人
株式会社エヌ・ティ・ティデータ技術開発本部:奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科
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池田 文人
NTTデータ通信株式会社技術開発本部ソフトウェア技術センタ
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青木 弘之
Nttデータ技術開発本部ソフトウェア技術センタ
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稲餅 正幸
株式会社内田洋行 知的生産性研究所
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永瀬 孝
株式会社内田洋行 知的生産性研究所
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