マルチエージェントシステムのための通信プロトコルとその効率分析
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概要
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マルチエージェントシステムでは, エージェント間の協調(cooperation), 交渉(negotiation)などの相互作用をいかに効率良く実現するかが非常に重要である。一般的にエージェントとは, 外部環境との相互作用に基づいて, 状況を把握したり, 他の処理体と協力しながら, ある目標に向かって自律的に問題解決を進めていく処理体と捉えることができる。ここでエージェント間ではどのメッセージをどのタイミングで送信したら良いか, またメッセージを受信したエージェントはどのように振る舞えばよいかという相互間の取り決め, すなわち通信プロトコルが問題となる。分散人工知能の研究分野では, 契約ネットプロトコルなど, エージェント間の協調, 交渉を実現するための数多くの通信プロトコルが提案されている。これらのプロトコルは応用目的に応じて拡張などが行われ, また実行環境や実装言語なども様々である。つまり, 応用目的の違いによって効率のよい通信プロトコルを選択しているといえる。また, 最近ソフトウェアエージェントについての研究が盛んになり, 応用目的に応じていろいろな通信プロトコルが必要になってきている。ここで, エージェントが存在する環境や状況, あるいは解決しようとする問題によって効率的な通信プロトコルを選択し実行することが可能であれば, マルチエージェントシステム全体の効率を上げたり, 応用範囲なども広げることが可能になる。しかし, 既存のマルチエージェントシステムは動作する環境や通信プロトコルに依存し, 通信プロトコルそのものを性質や効率の立場で比較することは難しい。本論文では, ネットワーク環境でマルチエージェントシステムにおける種々の通信プロトコルの実行を行うことが可能なソフトウェアエージェント, つまりエージェントの知識, 通信部分の設計方法を提案し, それに基づく実装について述べる。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1997-09-24
著者
-
沢村 一
新潟大学
-
Sawamura Hajime
Faculty Of Engeneering Niigata University
-
沢村 一
新潟大学工学部 情報工学科
-
佐藤 義顕
新潟大学大学院自然科学研究科
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