実行時の状態再現を伴うソフトウェアモジュールの動的差し替え機構

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オブジェクト指向パラダイムの浸透により, モジュール化手法の重要性が一般に認められるようになった。最近では, 使用するモジュールの決定を実行時まで遅らせたり動的に変更することによって, 拡張性や柔軟性の向上が図られている。しかし従来のシステムでは, 変更可能なモジュールの種類が限定されていたり, 変更に伴う状態の維持が考慮されていないといった問題がある。前者は拡張または改良する際の自由度が制限されていることを, 後者はモジュールを変更する機会が非常に限定されていることを意味する。銀行のオンラインシステムのように, 高い安定性と永続性が求められるノンストップシステムでは, これらの問題を克服しない限りシステムの拡張性/柔軟性を向上させることは難しい。本研究で提唱するDRDS (Dynamically Reconfigurable Distributed System: 動的再構成可能な分散システム)は,ソフトウェアの一部(モジュール)を動的に差し替える機構を提供する。DRDSにおけるモジュールは, 機能別/目的別に分類された一連のデータと手続きをカプセル化したオブジェクトである。差し替えは,実行中でないモジュールを対象に, プロセスの実行と並行して行なわれる。その際, モジュール内のデータを適切に変換し再現することにより実行時の状態を維持する。
一般社団法人情報処理学会の論文
1997-09-24

実行時の状態再現を伴うソフトウェアモジュールの動的差し替え機構

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