ランダムな割込みの相関処理 : キーボード入力への適用と一本指入力の並列的実現

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キーボード上のキーを打鍵する操作に必要な身体の運動制御は、筆記具を用いて文字を書写する際に要求される精緻な運動制御に比べ著しく単純である。この点から、上肢障害を持つ肢体不自由児(者)、特に言語障害を併症する場合の多い脳性麻癖者にとっては、パーソナルコンピューターやワープロは非常に有効な生活維持補助機器である。しかし、上肢障害者が実際にキー入力を行うに際しては、複数個のキーを同時に打鍵する操作や、また現在のパソコンの標準的機能となっているキーのリピート機能など、幾つかの困難な問題に遭遇する。従って、上肢障害者におけるコンピューター利用の有効性を実現するためには、何等かの手段を用いてキー入力におけるこれらの問題に対処することが必要となる。本稿の報告者の一人が2級の脳性麻癖者である。3年ほど以前にパーソナルコンピューターを使用する必要に迫られ、そのOSレベルで動作するキー入力処理ソフトウェアを開発することによりキー入力での問題を解決した。このソフトウェア(SKLと呼ぶ)はMS-DOS環境下のTSRで、システムのキー入力割込処理ルーチンに置き換わって動作する。主な機能は複数個のキーの同時打鍵と順次打鍵の並列処理、及びキーのリピート入力制御である。割込みから得られたデータの処理の仕方としては、図1に示すように割込処理ルーチンとは独立したデータ加工ルーチンを用意する方法が一般的である。しかし、余分な処理ルーチンを付加することによって生ずるシステム及びアプリケーション・ソフトウェアとの無用な干渉を避けるために、図2に示すように複数の割込みを相関的に取り扱うソフトウェア構造を採用した。本稿では複数個のキーの同時/を並列的に処理するための一般化された手法について報告する。
一般社団法人情報処理学会の論文
1992-09-28

ランダムな割込みの相関処理 : キーボード入力への適用と一本指入力の並列的実現

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