オブジェクト指向分析モデルの提案

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オブジェクト指向によるソフトウェアの開発は、現実世界の事象をオブジェクトとその間の関係によるモデルに変換する事と捉えることができる。また、オブジェクト間の関係も、「関係」というオブジェクトであると考えれば、そのモデルはすなわちオブジェクトの集合と見なすことができる。仮に、現実世界の全ての事象をモデル化した汎オブジェクト集合を仮定すると、特定のシステムはその汎オブジェクト集合の部分集合と捉えることができる。すなわち、システムの開発とは、汎オブジェクト集合からそのシステムに必要なオブジェクトを抽出し、部分集合を作成することと等しい。しかし、汎オブジェクト集合は理想的な存在であるため、実際には欠けているオブジェクトを既存のオブジェクト集合に追加していくことになる。この考え方によるシステムの開発においては、既存のオブジェクト集合の構造を明らかにする枠組みと、目的のシステムにどのオブジェクトが含まれるかを明らかにする方法が重要な問題である。また、それを人間が理解しやすい形で提示するための方法も軽視できない。本論文では、オブジェクト集合の構造を、定義平面と実体平面の二つの平面に展開することによって明らかにし、どのオブジェクトが目的とするシステムに含まれているかを表示平面へ展開することによって可視化するという分析モデルを提案する。
一般社団法人情報処理学会の論文
1992-09-28

オブジェクト指向分析モデルの提案

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