共通問題のオブジェクト指向形式仕様記述言語Object-Zによるアプローチ
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概要
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Object-Zは、形式仕様記述言語Zのオブジェクト指向への拡張である。Zは、集合論と第一階述語論理に基づく言語である。しかし、最近の問題領域の複雑化、大規模化に伴い多くの状態やオペレーションのスキーマをより容易に扱うことができる構造が必要とされるようになってきた。これがZからObject-Zへの拡張となった。Object-Zは、Zに対して次のような拡張がなされている。カプセル化(Encapsulation)・各システムコンポーネントにおける状態変数と関連オペレーションをクラスにカプセル化する。継承(Inheritance)・より単純なコンポーネントから仕様を追加記述する事で状態、オペレーションを含むさらに複雑な仕様の構築を容易する。多義性(Polymorphism)・スーパークラスのオブジェクトが要求された時に、適したサブクラスのオブジェクトを代入させる。また、このようなオブジェクト指向スタイルの仕様が、再利用が容易な明確な仕様を生じるだけでなく、最終的にC++などのオブジェクト指向言語へのインプリメンテーションやプロトタイプを助ける事にもなる。当論文では、このObject-Zを使って標準問題である酒屋の在庫問題を解く事でObject-Zとはどのようなものなのか、さらには本当に有用なものなのかについて評価を行った。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1992-09-28
著者
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