量子化歪みの劣化がない高速ベクトル量子化
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概要
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音声や画像データの符号化の1つであるベクトル量子化は,音声認識にも適用されるなど,盛んに研究が進められている.はじめに,ベクトル量子化を定式化する.入力ベクトルxとコードベクトルy_iをk次元空間R^k上の点とし,コードベクトルの集合{y_1,y_2,...,y_N}をコードブックと呼ぶ.Nはコードブックのサイズである.ベクトル量子化は,入力ベクトルxに対して,コードブックの中で最も距離d(x,y_i)が小さいコードベクトルY_iを見つけることである.このコードベクトルのことをxの最近点と呼ぶことにする.ベクトル量子化の課題の1つとして,コードブック探索時の計算量の削減がある.すべてのコードベクトルに対して距離計算を行なう全探索法(FSC法)では,kNに比例した計算量が必要である.これまでに,計算量の少ないアルゴリズムとして,2分木を辿ってコードベクトルを求める2分木探索法(BTC法)が提案されている.しかし,BTC法では,必ずしも最近点を選択することは限らないので,FSC法と比較して量子化歪みが増加するとうい欠点がある.ここでは,k次元ツリーでコードブックを表現することで,少ない計算量で,最近点が求められる(量子化歪みの劣化がない)ベクトル量子化方式を提案する.
- 1992-09-28