RETEアルゴリズムの高速化

概要

論文の詳細を見る
前向きプロダクションシステムの高速化において条件照合が最も重要であることはほとんど常識となっている。条件照合のためのマッチングアルゴリズムとして最も有名なものとしてForgyによるRETEアルゴリズムがあるが,近年このRETEの欠点が指摘されてきている。特にMirankerによりRETEにかわるアルゴリズムとしてとしてTREATアルゴリズム,lazyマッチングアルゴリズム等が提案されてきた。しかし,これらのアルゴリズムは常にRETEに対し有利であるとはいいがたい。本稿では条件照合アルゴリズムとしてTREATアルゴリズムやlazyマッチングアルゴリズムのようにRETEに対して根本的な変更はせず、RETEの枠の中で高速化をはかった改良RETEアルゴリズムを提案する。このアルゴリズムは、TREAT等と比較してRETEの性格に近い高速アルゴリズムであり、既存のRETEアルゴリズムを意識して作られた多くのアプリケーションを修正する必要なく高速化することができる。
一般社団法人情報処理学会の論文
1992-02-24