可搬性の高い高速暗号演算ライブラリ
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概要
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公開鍵暗号の登場は暗号鍵配送の問題を一部解決するとともに、デジタル署名という新しい概念を提供して暗号技術の応用の幅を広げたが、その有用性にも関わらず公開鍵暗号の実用化は遅れている。その要因の一つに公開鍵暗号演算の実装の難しさがある。提案された公開鍵暗号/デジタル署名方式の多くは10^<150>を越える大きな整数上のべき乗剰余演算(y=x^emod n)を利用しているが、この演算の計算量は大きく、実用に耐える処理速度を低コストで実現することは困難であった。これまでにもべき乗剰余演算の高速化については、アルゴリズムの改良や専用ハードウェアの開発など、多くの研究がなされてきた。しかしながら、専用ハードウェアの利用はコストの上昇を招き、アルゴリズムの改良も大きな効果はなかった。それでも他の用途と兼用できるマイクロプロセッサ上などで、公開鍵暗号演算をソフトウェアで実現したいという要望は多く、限られたCPU資源を最大限に発揮するような演算プログラムが求められる。安価なマイクロプロセッサでも、プログラムの実装次第で十分実用的な処理速度を達成できる。しかし、多くのプログラム言語が整数演算を効率良く扱えないために、可搬性の低いアセンブリ言語を利用しなければならず、CPU毎にプログラムを一から作成せねばならなかった。このような状況を鑑みて本稿では、高速性を追求しつつ、可搬性(移植性)を最大限に考慮した、暗号用整数演算ライブラリのアーキテクチャを提案する。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1994-09-20
著者
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