フラッシュメモリを用いたUNIXファイルシステム
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概要
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UNIXファイルシステムをサポートするフラッシュメモリデバイスドライバを開発した.本ドライバは,フラッシュメモリの特性から来る様々な制約に対処するため,LFSと同様な方法で,データの変化分を順にフラッシュメモリに書き込む、有効でないデータを保持しているフラッシュメモリの領域はクリーナが明示的に消去するベンチマークテストによると,本ドライバを使用するファイルシステムは,フラッシュメモリの特性にもかかわらず,MFSに遜色ない性能を有している.フラッシュメモリはその内容を一括して電気的に消去できる不揮発性半導体メモリである.現在,様々なフラッシュメモリが入手可能であるが,その特性は表lのように整理することができる.フラッシュメモリは読み出し専用メモリ(ROM)と同様なインタフェースを持っており,CPUと直結して利用可能である.フラッシュメモリチップは消去セクタの集合から構成されており,データの書き込みは,消去セクタ毎に明示的に消去操作を施した後,データ書き込みコマンドを発行して行う一般に書き込み速度は読み出し速度に比べて著しく遅い.フラッシュメモリはハードディスク(HDD)に比して,現在のところ容量あたり5~10倍高価であるが,軽量小型である,消費電力が少ない,可動部がなく衝撃に耐えるといった特性を有しており,携帯型情報機器の不揮発性記憶装置として有望である.本稿では,マルチタスク環境において,上に述べたフラッシュメモリの特徴(欠点)にどのように対処するかを探ることを目的としてUNIX用に設計,実装したフラッシュメモリデバイスドライバおよびそれにもとづくファイルシステムの性能について報告する.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1994-09-20
著者
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西岡 真吾
(株)日立製作所中央研究所
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元田 浩
(株)日立製作所基礎研究所
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西岡 真吾
(株)日立製作所基礎研究所
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川口 敦生
(株)日立製作所 システム開発研究所
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元田 浩
(株)日立製作所エネルギー研究所
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川口 敦生
(株)日立製作所基礎研究所
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