スキャンラインZバッファ法におけるエリアス除去の一手法
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
通常Zバッファ法で生成されたCG画像のエイリアス(折り返し歪)除去処理においては、離散値をサンプル点とするレンダリング技法の性質上、見かけ上の画素(サブピクセル)を増加させ、これらをフィルタリングする離散値サンプリング法に属する手法を適用することになる。ところが、一般に離散値サンプリング法はエリアス除去精度と、サンプル数に比例する計算負荷の問題を持つ手法である。柴本らが提案した拡張Zバッファ法は、A-バッファ法らの特長を生かし、計算負荷を軽減することに成功している。しかし、アルゴリズム自身が複雑で簡単には適用しにく、離散値サンプリングの本質的な弱点である精度面での問題を残している。今回報告する手法は、先に報告したエリアス除去精度の面では成果を得ている領域分割処理を利用したエリアサンプリング法をスキャンラインZバッファ法にインブリメントしたものである。アンチェリアシング部のアルゴリズムは比較的単純で、スキャンライン内に見えるポリゴンのエントリ情報及び、ポリゴン頂点座標とエッジの傾き情報を使ってエリアサンプリングが行なえるため、本手法を通常のスキャンラインZバッファ法に適用する場合、領域計算ルーチンを追加する他には、ポリゴンのデータ構造及び、増分法によるポリゴン侵入テーブル更新部を多少変更するだけで実現できるという特徴を持つ。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1990-03-14