重みを利用した類似化学反応の検索
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概要
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化学物質に対する反応経路を既存の反応データから類比に基づいた類推により求める情報指向型反応設計システムを作成中であるが、この方法は、獲得困難な反応理論に基づく理論指向型反応設計システムに較べて、反応事例が化学反応データベースの形で比較的容易に入手できることから、化学設計の分野では比較的有効な方法であると考えられる。類推を行う場合には、対象の化学物質と既存の化学物質間の類似性を反応の観点から求め、さらに対象の化学物質について反応を適用するの2ステップからなる。とくに類似性については、化学物質間の化学構造と電気的性質等の部分極大一致による類似度が算定される必要があるが、全ての化学反応についてこれを算定することは、計算量から考えて現実的でなく、既存データをネットワークやフレーム等でカテゴリ分類しておき、これに基づき類似性判定を高速化する方法が採られる。しかし、このような構造と性質による類似性判定は既存のデータの重要度や信頼度に関係なく類推に使われるために、得られた結果は必ずしも化学者にとって利用価値の高いものとは言えず、システムとしては類似性の高い順に結果を提示し、その中から化学者に選択させる等の手段をとる必要があった。本研究では、既存のデータに重要度等を示す重みを設け、類似性判定時の類似度算定に利用し、化学者にとって利用価値の高い順に結果が提示できるシステムを作成し、実際に実験したところ、良好な結果が得られた。以下、本システムにおける類似性判定の概要と、これを用いたシステムの効果について、実験した結果について示す。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1990-03-14
著者
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