プロトタイプ・オブジェクトに基づくオブジェクト指向計算モデルに関する考察
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
オブジェクト指向型計算モデルは高度なシステムやデータベースを構築する基盤として有望視されている.しかし,現在主に用いられているモデルは次のような問題点を持つ.(1)オブジェクトがその形質を動的に変化させることができない.最初に定義されたままに固定されており,新たな形質を獲得することができをい.(2)「上位概念」オブジェクトの形質を「下位概念」オブジェクトが継承することはできるが,「全体」オブジェクトの形質を「部品」オブジェクトが継承することができない.これらは,データベース・システムのようにオブジェクトの寿命が長く内部が変化する可能性があったり,全体と部分の関係が複雑なシステム,開放型システムのようにオブジェクトが動的に変化して環境に実行時に適応するようなシステムにおいて特に問題となっている.これらの問題を解決するものとして,前者については自己反映計算(reflection)メカニズムの適用が考えられたり,両者ともについて「適応化コンポジション」が提案されたりしている.我々は上記の問題に対する別のアプローチとして,プロトタイプ・オブジェクトおよび委譲のモデルを採用し,検討を進めてきた.本稿ではその概要を述べる.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1993-03-01
著者
関連論文
- 自律分散的に秩序形成を行うロボット群の並列計算機上でのシミュレーション
- WWWを利用したソフトウェア部品の管理ツール
- デザインパターン利用支援システムのソースコード生成支援
- デザインパターンのSGMLに基づく構造化文書化とその閲覧
- SGMLに基づくデザインパターン利用支援システムのユーザインターフェース
- オブジェクト指向ソフトウェア部品の分散管理システム
- ソフトウェア部品リポジトリへのデザインパターン導入の試み
- プロトタイプ・オブジェクトに基づくオブジェクト指向計算モデルに関する考察
- 2.応用プログラム (重点領域研究 : 超並列原理に基づく情報処理基本体系)
- デュアル・バス型マルチプロセッサ・システム
- 協調処理モデル Cellula の分散処理系 (並列処理)
- 場と一体化したプロセスの概念に基づく並列協調処理モデルCellula
- 場と一体化したプロセスの概念に基づく並列協調処理モデル
- オブジェクト指向によるパターン認識システムのプロトタイプ