自律分散的に秩序形成を行うロボット群の並列計算機上でのシミュレーション
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概要
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我々は,並列/分散人工知能の研究の一環として,ロボットの群が集権的な制御機構なしに自律分散的に全体として1つのシステムを構成するような,いわゆる群ロボットの研究を進めている.特に研究の焦点は,そのようなシステムにおいて必要となる実行主体の構成やそれらの間の相互作用形態の解明にある.これまでに,比較的能力の高いロボットから構成されるシステムについて主にシミュレーションを通じて実験・分析を進め,その基盤となるような計算モデルを提案してきた.一方で最近になって,人工生物(Artificial Life)や包括アーキテクチャ(subsumption architecture)に代表されるような,多数の単純なロボットから構成されるシステムの研究が各所で活発化している.しかし,我々の計算モデルがそのようなシステムに対しても有効であるかどうかは明確でなく,検証が必要である.本研究では,多数の微小なロボットから構成される単純なシステムについて高並列計算機上でシミュレーションを行って,必要な通信機構の分析を行った.具体的に取り上げたシステムは,ランダムな初期状態から自律分散的に秩序形成を行う簡単な群ロボットである.さらにその成果もふまえて,群ロボット・システムに要求される通信機構をいかに実現するか,我々の計算モデルがどこまで寄与できるかについても検討を進めている.本稿では,以下,第2章でここで取り上げた自律的な秩序形成,具体的には円周を構成するアルゴリズムを紹介し,第3章でそのアルゴリズムを高並列計算機上で実現する方法を述べる.次いで,第4章で一般にそのような群ロボット・システムを実現する上での通信機構について検討を加える.
- 1993-03-01
著者
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